

ヤマトシノロアリ(大和白蟻)
分類上の位置 等翅目,ミゾガシラシロアリ科
学 名 Reticulitermes speratus(KOLBE,1885)
和 名 ヤマトシロアリ
異 名 チャノキシロアリ
英 名 Japanese subterranean
termite
中 国 名 黄胸散白蟻
形態
有翅虫
体長4.5〜7mm,前翅長7〜8。女王は大きくなると体長11〜15mmとなる。成虫の頭部は黒褐色。触角・上唇・小腮鬚・下唇鬚・中胸背板・後胸背板・腹部背板・脚の各腿節は暗褐色。前胸背板・脚の各脛節と各節は黄褐色。前頭楯は白っぽい。翅は淡黒褐色半透明で,翅脈は濃色。頭部は卵円形でやや扁平,頭頂の中央部はやや凹む。触角は16〜18節よりなり,第3節が最も短小。左大腮の端歯と第1・第2縁歯の3歯は同長で,それぞれの先端を結ぶ線ほぼ一直線となる。右大腮の端歯と第1縁歯の間には短い副歯がある。前胸背板は頭部よりも幅狭く,前縁・後縁とも中央に浅い切れ込みがある。翅の徑分脈(Rs)は翅の前縁(ここを走る太い翅脈はSc+Rとされる)に接近して平行に走り,翅頂辺くで前縁に合する。中脈(M)の基部は前翅と後翅とで異なり,切離線の所で前翅では徑分脈(Rs)とも肘脈(Cu)とも離れているが,後翅では徑分脈(Rs)の基部から分岐する。肘脈(Cu)は翅の中央よりやや前縁寄りを縦走し,後縁に向って8〜12を分岐する。
兵蟻
体長3.5〜6mm。頭部は長く,円筒状でやや扁平,体長の1/2の長さを占める。黄褐色で前方がやや濃色となる。大腮は長く,基部赤褐色,先端部は内方に弯曲して黒褐色となる。左右とも内縁の基部近くに小歯がある。触角は14〜18節よりなり,第3節が最も短小。前頭部正中線上にある額腺孔は退化していて点状,防禦物質を出さない。
職蟻
体長3.5〜5mm。イエシロアリよりもやや小形,やや細めである。
生態
わが国で最も普遍的な木造建築物の大害虫で,寒さには比較的強いが,乾燥には弱いので,常に湿った木材や土中に棲息し,固定した特別
な巣は造らず,好適な生活環境を求めてコロニーは移動する。建築物への侵入は地下から蟻道を通
じて行うことが殆どで,土台,床束,大引き,根太,柱・筋交の下部,床板,敷居,畳などの建物の下部材を水平的に加害し,特に風呂場,洗面
所,台所,洗濯場,便所,玄関などの水をよく使い流す場所に被害が集中する。雨漏りを始め,給排水管の水漏りや結露があると,軸組から小屋組まで加害することもあるが,この場合はそれらの吸水源を修理によって除き,建物の乾燥を図るだけで建物上部の被害は止まる。被害場所は木材の腐朽を伴うことが多く,食痕は汚い。1コロニーの個体数は1〜2万頭といわれる。職蟻が30頭程度隔離されると,この集団から副生殖虫が現われ,新しいコロニーが生まれることになるので,シロアリ防除上,取り残しのないよう留意すべきである。
有翅虫の群飛は同一地域で1ケ月間位の幅があり,温暖地では早く寒冷地では遅れ,沖繩県では2月,奄美大島では3月,東北地方と北海道では6月,その他の地域では4〜5月である。雨上がりの暖い日の午前10時から正午の間に行われ,有翅虫が電灯に飛来することはない。
分布地域
日本全国,但し酷寒地と高山を除く。北限は北海道の上砂川(札幌と旭川とのほぼ中間点)である。