
分類上の位置 膜翅目、スズメバチ科
学 名 Vespa simillima xanthoptera
CAMERON
和 名
キイロスズメバチ(ケブカススメバチの亜種)
英 名 Japanese homet 又は Yellow
wasp
なおモンスズメバチV.crabro をHornetと云う。
形態
交尾した雌(俗に母蜂とか女王とかいう)は朽木の樹度下で越冬し、4月頃から活動をはじめる。この頃は、花の蜜や樹液などをなめて、専らエネルギーを貯える。営巣活動は5月からはじまり、雨のかかりにくい崖の下、空洞、軒下などが選ばれて営巣場所となる。人家への営巣は条件がよいのか、比較的多く、そのためか、原生林よりも人里に密度が高いように思える。しかし都会では餌も少なく営巣材料も少くなるので住むことはできないらしく、神戸市内の例では山地より直線距離500mまでが営巣できる範囲と思われる。さて、営巣場所が決定されると、直ちに巣柄がつくられ、4〜6個の巣房が下向きにつくられ、各房に1個づつ産卵される。この間の行動は非常に早く、1時間くらいといわれる。その後、これを覆う外層造りがはじまり、巣房づくりと外層づくりとが交互にくりかえされながら、巣は完成にむかってゆく。通常房数が20くらいになる頃、外層は出入口を残して、巣房を完全に覆ってしまう。このようになるまでにはせいぜい4〜5日しかかからない。この後巣房は40〜60程度に増し、外層は3〜4枚となり一応越冬雌によってつくられる巣は完成する。この母蜂は、その後育児に専念し外出時間が増えるが、最初の仂蜂の羽化が近づくとむしろ巣内にいる時間の方が多くなる。このようにして約1ヶ月を経て、第1回目の仂蜂が誕生する。仂蜂の誕生と共に越冬雌は産卵に専念するようになり、仂働の増加と平行して巣も大型となってゆく。巣の形は、初期の巣は、ソフトボール位の大きさで、出入口は外層の下端に位置する。コガタスズメバチでは、その形は酒徳利あるいはフラスコを逆にしたような形で、よく樹上に営巣しているが、軒下などにもつくる。幼虫に与える餌は、チョウ・ガ・セミ・アブ・ハチ・ハエなど筋肉の多いものを好み、成虫のエネルギー源は花蜜や樹液で、蛋白源は幼虫が口から出す透明な液体である。巣の材料はマツ・スギ・ヒノキ・タケ・カシ・シイ・モモなど各種の樹木の丸太や立木を噛りとり、これを唾液とこね合わせたパルプ状のものである。しかし、アシナガバチのものに比べて非常にもろい。また、外層は採集してきた木屑をそのまま利用するので、木の種類により色に濃淡があり、美しい縞模様をつくる。内部の巣房は外層をくずして再生したものになるので、濃褐色で、均一の色彩をしている。このようにして、仂蜂の労仂により巣は次第に大きくなり、それに従って巣盤も増して、多いときは10層にもなる。巣の出入口は初期は外層の下端にあるが、大きくなると側面に位置する。最大規模に達するのは9月上・中旬で、この頃から雄蜂や新女王が生産されるようになり、また気が荒くなっていて、ちょっとした刺激で人を襲うようになる。従って、巣をとり除いてほしいという希望も増加する。現在までに記録された最大のものは巣房数14,272であるが、通常は5,000〜8,000程度で、活動している蜂はその約1割、500〜800匹くらいである。交尾は10〜12月間に行われ、寒さと共に雄蜂・仂蜂は死亡し、交尾した新女王は越冬場所へ行ってしまい、12月中旬には巣は全く空になってしまう。巣は翌年再使用されることはなく、風雨にさらされてこわれてしまうだけである。
以上キイロスズメバチの周年経過を説明したが、スズメバチ類は大体似た生活をしている。ヒメスズメバチとオオスズメバチは樹洞か土中に営巣し、キイロスズメバチ(原亜種ケブカスズメバチを含む),コガタスズメバチ、モンスズメバチは自然環境では樹間・崖や岩棚の下に、人為環境では軒下や屋根裏などに営巣する。分布はほぼ日本全体に及びヒメスズメバチだけが北海道に分布していない。また、キイロスズメバチは北海道では原亜種のケブカスズメバチとなる。家屋に営巣する種類は地域により多少異るらしく、関東北部ではコガタスズメバチ、京都ではモンスズメバチが多いといわれている。しかし、全国的に見れば、何といってもケブカスズメバチを含めてキイロスズメバチが圧倒的に多い。
分類
家屋に営巣するスズメバチ類の検索表は次の通り。なお、スズメバチ類全体については36-図参照。
1.体表に長毛を生じる、特に頭胸・胸腹の間が目立つ。一一一一一一一一一2
体表に長毛はない。一一一一一一一一一3
2.長毛は黄褐色で、飛翔中も橙黄色に見える。本州以南に分布
一一一一一一キイロスズメバチ Vespa
simillima
xanthoptera
長毛は暗褐色で、飛翔中は褐色に見える。北海道に分布。
−−一−一一一一一サブカスズメバチ Vespa
simillima
simillima
3.第3〜6腹節背板の模様は、前縁黒色で、後縁黄色で、その境界は波状を呈する。
黒色部の少い個体では、第4腹節以降は黒い三角形の紋が黄色の腹背に生じるように見える。単眼周辺は黒い。一一一一一一一一一一一一一一モンスズメバチ
Vespa
crobro
第3〜6腹節背板の模様は黒と黄色の横縞であるが、波状にならず直線状である。頭楯前縁の2歯間中央に1小歯がある点が本種の特徴である。単眼周辺は黄橙色。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一コガタスズメバチ Vespa
analis
なお、コガタスズメバチに似ているが、尾端が黒いのはヒメスズメバチ V.
Tropicaであるが、本種は土中あるいは樹洞にしか営巣しない。また、モンスズメバチは樹間に営巣するのが普通で、建造物に営巣することは少い。モンスズメバチの巣はキイロスズメバチに比べ小型であること、出入口が下方に近いことなどで区別はできる。
習性
スズメバチ類はアシナガバチ類より体が大きいだけ攻撃的であるが、巣をおびやかすようなことがなければ、積極的に攻撃してくることは少い。ただ、一度接触された巣、例えば、石を投げられたとか、パチンコで打たれたような場合は、警戒が厳重で10m以上でも斥候蜂が飛び攻撃をかけてくることがある。秋に山道で何もしないのに襲われたというのは、このような何らかの形で前にさわられた巣である。ひとたび攻撃が開始されると、想像以上に執拗に追ってくるもので、少くとも100m近くは逃げなければならない。所で、スズメバチ類が刺すときは、必ず一度止って脚か口器で身体を支えてから、腹部を曲げて刺すので、止ってから実際に針がささるまでに数秒の時間がある。従って、落着いて、この間にハチを払い落せばさされずにすむわけである。攻撃目標は視覚にはちがいないが、光るものや白いものを目がけてくるようである。もちろん、全く刺激を受けたことのない巣では、かなり近づいても攻撃することはない。巣によって攻撃性が異るかどうかわからないが、1mくらいまで近づいても全く平然としていることもある。巣に近づいて出入口を見ると、必ず2〜3匹の見張り役のハチがいて、ハチが出入するたびに見張り役は、すこし動いて、出入りの邪魔をしないようにしている。
防除
駆除するために用いる殺虫剤は、何でもよいが、速効性のあるものの方が刺される機会を少しでも減らすのでよい。油剤、水和剤、乳剤どれでもよいが、油剤が便利であろう。営巣場所と巣の大きさによるが、小さな巣であれば、家庭用のエアゾル型のもので間に合い、しかも日中処理も可能である。わかっていればできるだけ小さいうちに仕末がつけられるといいが、こんな時に気付く人はまずないだろう。次に営巣場所別に駆除法を述べておく。現実問題として、巣を取り除く必要はないので、ハチが全滅することで、作業は完了すると心得ておけばよい。ただし、ハチが全滅すれば巣内の幼虫は当然死んでしまうので、日が立てば腐って臭気をはなつようになる。従って、人家に近い場合は、一応巣も取除いた方がよい。
お墓の唐櫃や洞穴に営巣したもの:この場合はただ1ヶ所の出入口を完全にふさげば、ハチは出入できなくなり、白然消滅となるが、想像以上にハチの噛る力は強く、折角ふさいだ穴が再びあけられて、かえって仕末のわるい荒々しい巣になることが多い。従って、出入口をふさぐと同時に、エ一テル・クロロホルム・四塩化炭素・二硫化炭素のような麻酔薬を注入するか、揮発性のある殺虫剤(DDVPやダイアジノンなど)を注入して全滅してしまう方がよい。麻酔薬の場合、二硫化炭素やエ一テルは引火性が強いので、火を使う場所が近いときは危険で利用できない。長期にわたっても差支えなければ、出入口から1〜2m離れた所で網を振って巣から出入するハチを次々採って勢力を弱めておいて処理するとよい。なお、出入口に残留する殺虫剤を散布しただけで、全滅するといわれる。なお、このような営巣は巣を破壊したり、採取する必要はない。
屋内天井裏に営巣したもの:作業の第1段階は、営巣場所と野外への出入口の確認である。出入口は、屋根裏の通気口がよく利用され、通気口のないときは木組みの隙間や板の節穴などが使われ、ハチ自身があけた穴はない。次に天井裏の気密性をしらべる。一般的には住居区よりも風通しよくできているが、営巣位置と気密性によっては煙霧法で簡単に駆除できる。すなわち、巣の真下近くで、くん煙筒を焚けばよい。屋根裏に営巣している場合は、夜間にネズミが巣を襲い、ハチに刺され天井裏をあばれまわることがある。また、仂蜂が巣に持ち帰った幼虫の餌の1部や糞を天井に落すため、室内にかなり臭気のただようこともある。天井裏に営巣したものは、残渣の腐敗がおこるので、必ず巣は取除く必要がある。巣や出入口の確認は、日中行うべきであるが、天井裏は暗くて、昼間でも営巣場所を確認するのに手間取る。この際できるだけ巣を刺激しないようにしておかないと、作業時に困ることになる。巣は比較的もろいが、建造物に付着している所は頑丈で鋸でないと切りとれない。
がけ下・軒下・橋の下など外から見える所に営巣したもの:キイロスズメバチでは、この場合が一般的であるが、土地によっては、見えない所の方が多いということである。まず、第1に裏面が塀や壁に付着していないかどうかを確める。ぶら下った状態の巣であれば、大型のポリ袋ですっぽり包むことができるが、裏面に付着面があれば、包むことはできないので、注意しなければならない。包むことが可能であれば、夜間そっと近づいて、すっぽり包み込んで、袋内に殺虫剤をほり込んで終ってしまう。見える巣に対して、長い竹ざおの先端に針をつけ、この針に麻酔薬を浸漬した脱脂綿をつけ、この綿で出入口をふさぎ、巣を全滅させてしまう方法も考案されている。理屈に合った方法にちがいないが、小さな出入口をうまくふさぐのは決してやさしくない。考案者は、昼間でも、荒れていない巣なら大丈夫といっているが、長い竹ざおを保持するだけでも、それ程楽ではなさそうである。一般的にはこのように外から見える場所であれば、夜間ハチが巣にもどっている時、殺虫剤の噴霧により全滅させるのが最もよい。ハチの活動は日没後1時間くらいで、帰巣すべきものは帰巣しているので、作業はそれ以降に開始する。施工者が金網面などで防禦態勢を整えていれば、1人でも駆除作業はできるが、できれば照明係と2人以上の方がよい。ハチは完全暗黒では飛翔できず歩行するだけであるが、照明すると正の走光性を示し、燈火の方へ飛んでゆく。そこで、この燈火へ来たハチも噴霧で落すことが必要となる。従って、3名いれば、1名は照明係、1名は作業係、1名はハチのとぶのを見張りハチを殺す係となれば、完全である。最も危険な作業をする作業係が金網による完全防禦服をつけておれば充分である。噴霧用に用いる殺虫剤は特に何でなければならないということはないが、速効性のものの方が、後の面倒が少い。ピレスロイド系のものでは落下後生き返ることがあるので注意が必要である。畑の作業小屋に営巣していた巣が、殺虫剤(PAP)の空中散布で、成虫・幼虫・蛹も全滅したことから考えると、風のないとき巣の真下でくん煙剤を焚いても駆除できると思われるが、実験例はない。以上は殺虫剤を用いての駆除であるが、営巣場所がコンクリート造りで引火物がなければ、焼き払うのがよい。すなわち竿の先にボロ布をまき、これに石油をしませ、火をつけ“たいまつ”として、焼き払うのである。ただ、火を焚くため、明るくなりハチの活動を助けることになり、作業者が刺されることがおこりやすいので、細心の注意が必要である。何れの場合も、巣内にいるハチは全滅するが、外出中のハチは残ることになる。夜間作業を行った翌朝、外泊したハチが帰巣してくるので、巣のあったまわりをかなりの数、多ければ100匹前後のハチが乱舞しているが、これらが人を襲うことはない。
あやまって刺されたときは、抗ヒスタミン又はコーチゾンの入った軟膏を塗布する。発熱したり症状のはげしいときは速に医師の診察を受ける必要がある。大人では刺されて死ぬことはめったにないが、時々死亡事故があるので充分気をつけなければならない。なお刺されてから死亡するまでの時間は1時間以内ということである。

分類上の位置 膜翅目、スズメバチ科
学 名 Polistes jadwigae DALLA TORRE
和 名 セグロアシナガバチ
英 名
アシナガバチー般の名称として、Paper wasp又はFiela waspが用いられる。
本種は本州・四国・九州・奄美大島に分布する最も普通のアシナガバチで、人家近くに生息するので、刺傷被害の出やすい種である。
近似種:アシナガバチ類にはほかに次の6種が分布する。
キアシナガバチ
P. rothneyi CAMERON
分布はセグロより広く、北海道の1部、沖縄、東南アジアに広がり、低山地に多い。
コアシナガバチ
P. snelleni SAUSSURE
北海道・本州・四国・九州・朝鮮半島・中国に分布し、低山地に多い。
キボシアシナガバチ P.
mandarinus SASSURE
前程と同じ分布で、やはり低山地に多い。
ヤマトアシナガバチ P. japonicus
SASSURE
分布は本州・四国・九州で、低山地に多いが関東地方では平地に普通である。
フタモンアシナガバチ P.
chinensis anthennalis
北海道南部・本州・四国・九州・朝鮮半島に同亜種が分布する。セグロアシナガバチとともに平地の人家付近にもっとも普通のアシナガバチで、野原・運動場のように開けた明るい所を好む。
トガリフタモンアシナガバチ P.
Biglumis ()
北海道・サハリン・千島・北ヨーロッパに分布する。
このほか、森林に生息するホソアシナガバチ類Parapolybia
spp.がある。
形態
人家や庭先に営巣して刺されることの多いのは、地方により多少種が異るが、本種が最も普遍的であろう。また、これらアシナガバチ類7種は成虫以外に巣の形状も異るので、ほぼ完成された巣により、ハチがいなくても種を判定することができる。
本種に最も近似しているのは、体長21〜26mmと大きさのほとんど等しいキアシナガバチである。斑紋も極めてよく似ているが、鮮黄色で、飛翔中でもずっと黄色く見える。セグロアシナガバチと明確な差は、前胸背面がセグロでは赤褐色で周辺が淡褐色であるが、キアシナガは全体黄色であることと、前伸腹節に2縦紋をもつことである。
また巣は、キアシナガでは鐘形であるが、セグロでは柄部を除き背面はほとんど平らである。営巣場所はセグロは屋根の下や窓枠などをよく利用するが、キアシナガは木の技や岩かげが多い。従ってキアシナガによる刺傷例は少い。巣の大きさは、近畿地方ではセグロでは最大400房ぐらいで、都市部では50〜100房、郊外の環境のよい所で200房程度であるが、キアシナガはこれよりやや多いようで、最大は700房くらいである。
このほか人家近くに営巣するものにフタモンアシナガバチやコアシナガバチがある。いずれも前者に比べ小型で、体長12〜18mmで、前者は第2腹節背に1対の丸い黄色紋があるのでわかりやすい。コアシナガバチは背面が強く変曲した巣と第1、3、4腹節背面にはっきりした黄紋があることでキボシアシナガバチと区別できる。巣房数はフタモンは最大1000にもなるが通常は100〜200程度であり、コアシナガはこれよりやや少く最大で500くらいである。キボシの巣はあまり変異なく、50〜70房である。
生態
アシナガバチ類の生活は種による差はほとんどない。セグロアシナガバチの神戸附近での生活史を紹介しておく。
3月の下旬頃から暖い日に越冬していた雌は活動を始める。4月一杯は花の蜜やアブラムシ・カイガラムシの甘露(分泌物)をなめて栄養摂取につとめる。5月頃から巣造りをはじめる。巣の材料は枯れ木・竹の表皮・紙類(ダンボールや雑誌など)の繊維質のものをかじり取り、だ液と混ぜてパルプ状にしたものである。まず、巣造りに適した場所を選び、巣の柄部が口と前肢を使ってつくられる。柄ができあがると、巣房1個がその先端につくられ、ワイングラスのような形となる。その後、次々に巣房をつくり、その房中に産卵してゆく。ふ化した幼虫はこの1匹の越冬雌によって育てられ、やがて仂蜂が出現する。仂蜂が出ると巣は急速に拡張され、越冬雌は巣づくりや育児を仂蜂にまかせて、次第に仂くことをやめ産卵に専念するようになる。仂蜂の最初の出現は早いもので6月上旬で、だいたい6月末までには仂蜂が活動の中心となる。成虫はエネルギー源としては花の蜜やアブラムシなどの甘露を摂取するが、幼虫の食物は毛虫やいも虫で、成虫が噛みくだいて肉団子にして幼虫に与える。従って、アシナガバチ類は天敵として役立っていることになる。幼虫をつついて刺激すると、口から透明な液を出すが、この液は成虫の蛋白源として成虫がなめている。このようにして、仂蜂の増加と共に次第に巣房は大きくなり、8月末頃には最大となる。8月中・下旬には雄成虫が出現し、9〜10月の間に越冬雌と交尾する。雄は腹節が8節で頭部前面の黄色部が広く、顔が黄色く見えるので区別できる。交尾はへいや石垣などの日だまりに多数の雌雄が群がって行われる。この交尾のための群れをこわがるが、このときは全く人を攻撃することはない。交尾が終ると雄は死にたえてしまい、交尾した雌のみが越冬する。越冬前は、すべての房が空になった状態の巣に雄も雌も集って1ヶ月程をすごし、やがて巣をすてるが、巣からはなれても、巣の近くのかべ・石垣・電柱・瓦のかげなどに集団をつくり生活する。この集団は気温の低下とともに次第に解散して、越冬場所へ移動する。越冬場所は比較的乾燥した暖い瓦の下や石垣の間隙などであるが、時には多数の個体が集団をつくり越冬することもある。
習性
アシナガバチ類は比較的おとなしく、巣を刺激しない限り攻撃してくることはない、50cmくらいまで近づくと、翅をふるわせて一応警戒するが、せいぜい5分も静かにしていれば落着いてしまう。
前述のようにアシナガバチ類は農林業上の天敵として役立っているので、なるべく駆除しないようにしたいが、通路など人に被害が及ぶような所に営巣したものは駆除せざるを得ない。
駆除法
物理的には巣にホースなどで水を強く散布すると、ハチは巣からはなれるので、ハチのいなくなった巣を取り除けばよい。巣がなくなると、1日くらいで解散してしまう。殺虫剤を用いるときは、エアゾール式の家庭用で充分である。ハチ類は一般に殺虫剤に対して非常に弱いので、通常の希釈倍率以上に薄くしても充分である。
あやまって刺された時は抗ヒスタミン又はコーチゾン(副賢皮質ホルモン)の入った軟膏を塗布するとよい。アンモニア水などは特効薬とは云えないが、蒸発熱を奪うので、冷却効果は期待できる。ただし、刺された直後なら、ハチ毒のもつ有機酸だけは中和するであろう。